1. はじめに
展示会、ライブ、スポーツ大会、株主総会──あらゆるイベントが“リアル回帰”を果たす一方で、主催者にはかつてない課題が降りかかっています。
それが イベント関係機材配送 の高度化です。数トンのトラスやLEDウォールから、iPadスタンドやノベルティまで多種多様。
しかも搬入スロットは深夜 0:00〜4:00 のわずか4時間、会場は地下2階、貨物エレベーターは1基のみ。
こうしたハードモードを乗り切るには、汎用の宅配便ではなく BtoB 専用の配送サービス を使いこなす必要があります。
本稿では、10年以上イベント現場に携わった筆者が、機材の集約・保管・搬入をワンストップで最適化する方法を解説します。
2. なぜ一般配送では限界が来るのか
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時間帯の壁
大手ホールや商業施設は搬入口の使用が深夜に限定されます。宅配便の最終荷受けは 19 時前後のため、タイムラインがそもそも合いません。 -
荷姿が大きすぎる
スピーカーや照明トラスは長尺・重量物。規定サイズを超えると宅配網に乗せられず、特別チャーターも高額です。 -
破損リスクが高い
混載輸送で別荷主の鉄パイプとノート PC が同じ平台車に載る――イベント業界では悪夢と呼ばれる瞬間です。 -
現場スキルの不足
「ケーブル巻きNG」「前面ガラス注意」などの専門注意点を知らないと、搬入・設営が遅延します。
3. BtoB専用配送サービスが提供する4つの武器
① 24時間指示どおりの時間指定
夜間搬入、早朝撤収、さらには5分刻みの待機指示にも応える体制。ドライバーは現場経験者で、タイムファイルを共有して動きます。
② 車両と荷室の完全占有
荷室は1イベント専用。音響機材の横に他社の鋼材が載ることはなく、クッションマット・ラッシングベルトで衝撃を最小化。
③ 搬入補助と設営オプション
ドライバーがパワーゲート操作や仮組みサポートを行い、主催スタッフの肉体労働を縮小。熟練クルーはケーブルの負荷やステージ床の養生も理解しています。
④ 写真・動画によるリアルタイム報告
搬入完了後、荷姿・設置状態を即時クラウド共有。現場不在の主催者もスマホで進捗を確認でき、トラブルの芽をその場で摘めます。
4. ケーススタディで見るインパクト
4.1 展示会ブースの同時搬入
東京ビッグサイトで3小間を借りた化粧品メーカーは、什器・デモ機・パンフ計2トンを都内倉庫から搬入。BtoBチャーター2台に積載を集約し、深夜 1 時に搬入口へ横付け。専任クルーが設営補助まで行った結果、従来 12 時間かかっていた立ち上げが 7 時間で完了し、人件費を 40 %削減できました。
4.2 ライブハウス間の連日公演
関西3都市ツアーの音響・照明セットを日替わりで搬送。通常は会場ごとにレンタルしていたが、専用チャーターが機材を“追いかけ便”で輸送し回し使用を実現。レンタル費を 60 万円節約しつつ、一度セッティングしたエンジニアが同機材を扱うため音質トラブルもゼロに。
5. 失敗しない導入フロー
ステップ1:機材リストとタイムラインを確定
・機材の寸法重量
・搬入口制限、導線の幅・高さ
・会場入り/撤収の締切
ステップ2:配送会社へ情報共有し見積依頼
サイズ別で車両を決定(軽バン・1 t・2 t・ウイング etc.)。複数社同時依頼でレスポンスと提案力を比較。
ステップ3:試験搬入で検証
最も厳しい条件の会場をピックアップしスポット運行。写真報告やドライバー対応を評価。
ステップ4:本契約&ルート最適化
ツアーや年間展示スケジュールをまとめて発注し単価を下げる。定期便+スポット便のハイブリッド運用でコスト最適化。
ステップ5:事後レビューで改善
撤収スピード、破損件数、待機時間を数字で振り返り、次回アクションプランを共有。
6. BtoBイベント配送よくある質問
Q. 車両が到着しても搬入口が空かないことが多い…
A.搬入口予約システムの代行や事前許可証取得サービスを活用し、到着後 15 分以内の荷降ろしを標準化できます。
Q. 機材が濡れるのが怖いのですが?
A.防水シート+インナーラップを二重で施し、雨天時は車両横付け→屋根付きドックにダイレクト搬入する導線を確保します。
Q. コストは高くならない?
A.路線便より単価は高いものの、設営人件費や破損再制作費・レンタル追加費を合算すると総コストは下がるケースが多数です。
7. まとめ:イベント成功の鍵は「物流を制す」こと
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イベント関係機材配送 に失敗すると、どれだけ豪華な演出も水泡に帰す
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配送サービス をBtoB仕様に最適化すれば、搬入時間短縮と破損ゼロが同時達成
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チャーター便 の導入で損益分岐点が下がり、演出やプロモーションに予算を再投資できる
社内リソースを演出・集客といった“攻め”に集中させたい企業こそ、今こそBtoBイベント配送の再設計が必須です。
まずは次回イベントの機材リストを洗い出し、搬入スケジュールと合わせて外部パートナーへ相談してみてください。
現場のストレスが嘘のように軽くなり、イベント本来のクリエイティブに全力投球できるはずです。